イタリアの選挙の結果が、世界的に注目されているのは何故？

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イタリア政治不安の再燃は起こるか？

3/4に行われたイタリアの総選挙の結果に注目が集まっています。

何故注目が集まるのかを考えてみると、様々な理由がある事に行き当たります。まず、挙げられるのが政治不安の再燃です。

どの政党が優勢になったとしても、「絶対的な強さを持つ政党は存在しません。」イタリアだけの問題ではありませんが、こうなると、中々政策を決める事も出来ず、法案を通す事も難しくなります。

更に、結果が混戦となった場合、どの政党とどの政党で連立を組むのかで野党が勝利する場合も考えると、ますます混乱を極める可能性が出てくるのです。

政局が不安定になると言う事は金融政策についても舵取りが難しくなってくるので、政治不安の再燃は起こりかねない事態に陥ります。

イタリアの政治不安は、状況次第では起こってもおかしくないのが現状です。

五つ星運動とトランプ大統領

ポピュリズムの台頭というのは、どの国でもあり得る事です。極論ですが、日本だと民主党が政権を奪ったのは人々の不満に賛同し、達成出来ないマニュフェストを掲げ当選。これもある意味ポピュリズムだったと考える事も出来ますし、アメリカのトランプ大統領を例に出せば分かりやすいのではないでしょうか。

イタリアでもポピュリズムを掲げる人民主義の政党が台頭をしています。これが五つ星運動と言われるものです。

先頭に立つのは、ベッペ・グリッロ、ジャンロベルト・カザレッジョなのですが、近年急激に雇用不安や増税を背負わされた国民の中流層・下流層支持を集めていると言われています。

しかしながら、こちらの政党も大きく突出した政党にはなれないと予想されているからこそ、先のわからない選挙になる予想がされていますし、どこと連立を組むかで一気に与党になれる事も考えられるのです。

こちらの五つ星運動は公約に「約10万円のベーシックインカム」が含まれていて、実現可能な財源をどこから持ってくるのか注目を集める事になるでしょう。

ACミランの元オーナーが率いる中道右派

中道右派の中心人物とされているのが、ベルルスコーニ元首相と言えば、知っている方も多いでしょうし、名前くらいは聞いた事が有る方がほとんどではないかと思います。

スキャンダルの多い（未だに審理中の裁判もある）起業家であり、政治家なのですが、スポーツが好きな方にとっては、ACミランのオーナーであった人物と言えば分かりやすいかもしれません。

イタリアのメディア王であり、元首相は反体制派を掲げており、得票数が最も多いとされる中道右派です。こちらは中道右派同盟と呼ばれていて、公約の一つに守れるかもわからない「所得・法人税率を一律２３％に引き下げる」が含まれています。

中道右派であるフォルツァ・イタリアのマニュフェストを取り上げましたが、はっきりと言うとどの政党も似たり寄ったりで達成出来るか定かではない、公約を掲げているのです。

イタリアの民主党は中道左派

現与党である民主党は、他の躍進の蔭で大苦戦となっています。

「子育て世代への給付金」と一番リアリティーのある公約となっていますが、財源は確保出来るのか？他の勢力に比べると、インパクトに欠けるのではないかと思われています。

3つ巴となっているので、どこかの勢力1つだけでは政権は誕生しません。手を組むとなると何処と組むのか？そうなると公約はどうなってしまうのかには、注目が集まっています。

イギリスも含めたEUの行方には世界的な注目が集まる

移民反対を掲げる政党が議席を伸ばしている事を考えると、海を挟んで反対側にアフリカ大陸があるイタリアにとって、移民問題はイギリスよりも深刻であるのがわかります。

特にポピュリズムの台頭はイタリアの政権にとって大きな問題となり得るのは間違いありません。

その中でEUに求められるのはどういった役割なのか、その役割を果たす事が出来るのかには大きな注目が集まるでしょう。

イギリスだけでなくイタリアもEUを抜けてしまうとなると、EUの権威は失墜します。そうなるとドイツも黙っていないでしょうし、イギリスに追従する動きがより活発化するかもしれません。

政治危機になると為替の価値は落ちるのでユーロの動きにはより注意が必要になってきます。しっかりと見ておいた方が良さそうです。

あくまで予想ではありますが、リスク回避の円高は未だに頻繁に起こるので、状況が揃うと、「ユーロ安」「円高」に警戒しておきましょう。

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