ビットコイン マウントゴックス社が顧客資金11億を流用
ビットコインの特徴を使った自転車操業
マウントゴックス社がサイバー攻撃を受けたのは13年の春頃だったでしょうか。サイトに対してDDOS(ディ-ドス)攻撃を受けたことで一時取引停止となり、その際にマウント社は危ないと言う考えが広がりビットコインの相場が暴落してその波におされて破産したと言うのが今までの考え方でした。実際に破綻した最大の原因は価格が暴落したという部分であるとは考えられますが、何故今話題に上っているのかと言うと、マウント社は顧客が預けていた資金を不正利用していたのではないかと警視庁から疑われているからです。
そもそも、マウント社の自己資金は2億円しかありませんでしたが投資額は約5倍近い10億円近くになっていたのではないかと言う事です。そもそもマウント社から損失した金額は28億円と言われており、それだけでは足りない金額ではあるのですが、警視庁は預かり金の流用や不正操作した口座からのBTC取引こそが消失に直結したのではないかと考えているようです。
何故資金が2億円程しかなかったのか?
ここまでで疑問に思う方も多いかもしれませんが、どうして大量のビットコインを扱い世界的に見れば軌道に乗り始めていたマウント社に資金が2億円程度しかなかったのか?疑問に思う方も多いかもしれませんが、これはマウント社は25年度に手数料などで10億円超を売り上げてはいましたが、販売管理費が上がった事も合いまって、わずか2億円程の資金しか手元にはなかったとされています。
しかしながら、25年以降に関連会社数社に約7億円、カルプレス社長に1億数千万等約10億円を貸付名目で投資しています。考えるべきはこの資金がどこから産出されたものなのかと言うことです。ビットコインが危ないと言うよりも、マウントゴックス社のやり方が大問題であったと言うわけですね。
もちろん自己資金が2億円しかないマウントゴックス社が資金として目をつけたのが利用者の預かり金だったのではないかとされています。
まだ逮捕された段階ではありますが、警視庁が逮捕に踏み切ると言うことは、それなり以上に証拠がある状況であると考えられます。つまりは28億円分のビットコインの消失の内約10億円はマウントゴックス社によって消失させたのではないかと考えられていると言うことになります。
経営難だったのか?
そもそも考えておきたいのは資金を流用しなければいけないほど経営難だったのかを考えてみましょう。ビットコインの価値は上がりつつあったので、自転車操業自体は可能であったと考えられます。更には日本での知名度も徐々に上がってきていたので日本からの利用も増えていたかもしれません。経営難と言うよりも過剰な投資、そして私的な事に使いすぎたのではないか。競合社への子会社売却の際の裁判や取引の停止など問題を多く抱えていたとも原因だと考えられます。
そこでDDOS攻撃による取引の一時停止で信頼感は大きく低下、一時はシェア70%を誇っていたマウントゴックス社はビットコインの価値が下がり、自転車操業ができなくなり破綻。と考えるのが一番自然かもしれませんね。
ビットコインは危ないのか?
何度も言うようですが、マウントゴックス社の社長が不正利用し、自転車操業をしていた上にサイバー攻撃を受けたからこそ28億円分が消失したのであり、しっかりとした管理体制、経営方針であるのなら、その交換所に対して不安を感じる必要はありません。しかしながら管理体制が十分なのかどうかに対して、外部から知る余地が無い今の状況を考えると少し不安が残るのは事実です。
今回の事件の場合は、資金が2億円しか無いにもかかわらず都内のマンション2年で4000万円と言われる家賃も会社名義で支払いがされていたようです。社長職の方が会社の経費として家賃の支払いをするのは税金対策として有名ではありますが、こうなってしまうと私的流用と考えられたとしても仕方ないと感じられる部分ですね。更にこの不正というのが2011年から行われていたとまで言われており、これが事実であるとするのなら、ビットコインが危険と言うよりもマウントゴックス社と言うものが危険であると言えます。
事件後も海外では大きく需要が増えている
マウント社の事件後、一時停滞したビットコインですが需要自体は現在も増え続けています。それは日本でも同じで最近ではNTTドコモや楽天がビットコイン事業に進出しています。ネガティブなイメージが多いのは事実で日本ではある意味仕方のないことですが、それでも世界の主流になりつつあると言う事だけは頭にいれておきましょう。
ビットコインを使った取引なども頻繁に行われ始めています。もちろんバイナリーオプションでも取扱のある業者もあり、日々拡大していると言ってもいいでしょう。いきなり始めるのは抵抗があるのは誰でも同じなのでビットコインの仕組みからでも理解してみてはいかがでしょうか。ビットコインに問題があるのではなく預託会社のセキュリティの問題が今回の事件でも関係しています。
現金にしてもビットコインにしても預けるなら信頼が出来るところにと言うことですね。
カテゴリ:BitCoin(ビットコイン)
2015年08月03日
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